培養幹細胞治療とは
培養幹細胞治療は、再生医療の1つです。
腹部などから自分の脂肪を採取し、その脂肪から抽出した幹細胞を膝関節内に注入します。
注入した幹細胞は関節内構築体に生着し、膝関節保護作用を促進することから、炎症・痛みの軽減が期待できます。
培養幹細胞治療の効果
脂肪由来の幹細胞には、炎症を抑える作用と、痛みを軽減させる成分を産生する作用があります。
実際の臨床においても、重度の変形性膝関節症に対する培養幹細胞治療により、痛みが軽減し膝機能が回復したという報告が多数あります。
また培養幹細胞治療は、1カ月後、3カ月後、6カ月後と持続的な効果が期待できます。
このような方におすすめです
- 膝の痛みが強く、日常生活に支障が出ている方
- ヒアルロン酸注射、ステロイド注射など保存療法が効かなくなってきた方
- 手術が受けられない、回避したい方
- ご家庭の事情などにより入院するのが難しい方
- 一般的な保険診療を受けてきたが限界を感じる方
- 新しい治療である再生医療に興味がある方
培養幹細胞治療のメリット・デメリット
メリット
長期的な改善効果が期待できる
炎症、痛みを軽減するという効果は、ヒアルロン酸やステロイド注射のような一時的なものではなく、長期的に期待できます。
軟骨破壊を抑制できる
変形性膝関節症では、軟骨の擦り減り、さらには関節の変形が進みます。これまで対処法のなかった擦り減り・変形ですが、培養幹細胞治療では軟骨・関節の保護作用が期待できます。
副作用が少ない
自分の脂肪由来の幹細胞であるため、拒絶反応やアレルギーの起こるリスクが非常に少なくなります。
入院せず治療できる
腹部などから脂肪を採取し、加工した後に患部に注射するのみの、ご負担の少ない治療です。入院、メスを使った処置などは不要です。
デメリット
即効性がない
痛み止め、ヒアルロン酸注射などで見られる即効性は期待できません。
効果に個人差がある
重症度などにより、効果には個人差があります。一般的に使用する薬ほどの効果の安定性はございません。
肺塞栓症の副作用・リスクがある
もっとも危惧するべき副作用として、肺塞栓症があります。
注入した幹細胞が肺の血管で詰まった場合に、発症します。肺で酸素を吸収する・二酸化炭素を排出するという機能が障害され、最悪の場合には命を落とします。
この副作用は、品質の良くない幹細胞(生存率の低い幹細胞)を注入した場合に起こりやすく、また品質が良くても大量の幹細胞を注入した場合に起こる可能性はあると言われています。
当院では、細心の注意を払い、安全性を最優先した治療を行います。
治療の流れ
1ご予約
当院は、完全予約制です。
まずはWEBまたはお電話からご予約ください。
2診察・診察
問診・診察を行います。症状、これまでの治療歴などについて詳しくお聞かせください。また培養幹細胞治療についても、こちらからご説明させていただきます。
培養幹細胞治療の適応となり、その内容・費用についてご理解・ご同意いただけましたら、脂肪の採取へと進みます。
3脂肪の採取
お腹または太ももから、約20mlの脂肪を採取します。局所麻酔を行いますので、ほとんど痛みはありません。
お預かりした脂肪は、細胞加工機関へと送り、幹細胞のみを抽出・培養し、当院へと戻ってきます。所要期間は、約6週間です。
4治療
再度ご来院いただき、培養幹細胞を膝関節内へと注射します。
注意事項
- 比較的起こりやすい副作用として、脂肪採取をした部位、培養幹細胞を注入した部位での一時的な痛み、腫れがあります。
痛み止めの服用で軽快しますので、ご安心ください。 - 非常に稀ではありますが、注入時には感染や関節内出血、注入後には脂肪塞栓を合併するリスクがあります。
費用
※税込価格です。
年間保管料 | 110,000円 | |
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膝 | 片膝 | 1,320,000円 |
両膝 | 1,980,000円 | |
全身点滴 | 1回目 | 2,200,000円 |
2,3回目 | 1,650,000円 | |
4回目以降 | 1,100,000円 |